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ロリータ <ウラジーミルナボコフ(著) 若島正 (翻訳)>




総合評価     ★★★★★

ストーリー    ★★★★★
表現/世界観    ★★★★☆
キャラ       ★★★☆☆

映画化 ○
ハッピーエンド ?



内容(amazonより抜粋)

「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。…」世界文学の最高傑作と呼ばれながら、ここまで誤解多き作品も数少ない。中年男の少女への倒錯した恋を描く恋愛小説であると同時に、ミステリでありロード・ノヴェルであり、今も論争が続く文学的謎を孕む至高の存在でもある。多様な読みを可能とする「真の古典」の、ときに爆笑を、ときに涙を誘う決定版新訳。注釈付。




感想

 これは…、たいへんな本を開いてしまった。
 「こころ」よりも読むのに時間がかかるとは思ってもみなかった。学のない私にはかなり難しい内容。というのも、表現が詩的で、抽象的で、欧米に関する知識がないと全く楽しめない「っぽい」のだ。果たして外国に詳しかったとしても楽しめるのかどうかすら怪しい。主人公も、著者も、フランス人らしく、そこかしこに詩人の名前が出てくる。言葉遊びや、抜粋なども多く、それらの本を知らないと、ちんぷんかんぷんであるように思われる。

 百四十ページほど読んだが、残りは四百ページほど…。絶望的数字に思える。

 裏表紙には、内容と同じ文が記載されているのだが、本当に時に爆笑できるのか、時に涙誘われるのか首をひねらずにいられない。理解できないものに笑ったり泣いたりできるわけがない…。

 とにかく完読するまで忍耐との戦いだ。
 それからこの記事を再編集する。


追記

 これはすごい本に出会ってしまった。笑える部分は一つもなかったが(後書きにある出版社の台詞「もしロリータをうちで出版したら、わたしもあなたも刑務所行きです」には笑った)、盛大に泣ける部分が一つだけあった。それは主人公のロリータへ対する愛が本物だと気づいたとき。感動した。ブレないまっすぐなものには、やっぱり心が動く。九歳から十四歳のあいだの黄金期、ニンフェット期を過ぎたロリータを目の当たりにしても、一緒にいることをあきらめきれない主人公の強い気持ち。確かにニンフェットに欲情してしまう愚かなおとこだけれども、胸にやどったロリータへの気持ちは崇高じゃないですか。

 しかし、長い。読みづらい。一文が三行を越すこともある。巧みな表現(飾り)によって、今読んでる文がなんなのかよくわからなくなってくる。詩を読んでいる気分に近いのかも知れない。ただ、詩は綺麗な単語を整然と並べてあることで、頭の中で印象を想像するのにたやすいが、これは小説なのでその場面をするりと思い浮かべられないと、なんの話だっけ?状態に。一文を引っ張り出してみる。

 おそらく私は冬のあいだのローのおとなしい行動に気がゆるんだのかも知れないし、いずれにせよ、もう一人のハンバートが必死になってハンバートとハンバートのニンフェットを追いかけ、ゼウスの花火を手にして、広大で醜い平原を駆けめぐったとは、たとえ凶人の想像にせよあまりにもばかげている。

 こんな文章の繰り返しなので、途中で理解を放棄しないと、とてもじゃないけど、読み進めていけない。自分の分かる範囲で、自分なりの楽しみ方で、作品を消化すべき。幸いなことに、楽しめる要素はふんだん。

 とにかく、この人はたぶんロシア語とフランス語と英語を操れるようである。流ちょうに扱えたのは、恐らくロシア語。であるにも関わらず、ロリータは英語で執筆している。日本語に訳されている文が、どれだけ原文に忠実なのかはわからないが、同じような表現が多用されている印象はない。五百ページ以上にわたる長編を、母国語以外の言語で書き上げるだけでもすごいのに、それが拙くないのはどういうことだ。他国言語の習得がどれほど難しいことか。泣ける。

 私がもし将来、アメリカに行く機会に恵まれたとしたら、この本を持って行きたい。
 そして私がもし、早々に死ぬことがないのであれば、生きている内に原文でこれを読みたい。

 神様、私をどうか長生きさせて。父親よりは有意義に人生を楽しんでみせる。




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過程がどれほど素晴らしかろうとも、バッドエンドで評価が一転します。


★の数は、その本の価値と同一ではありません。
たいてい、難解な哲学を含むものは、星の数が少ないです。

あなたが本を手に取るきっかけに、人の意見が知りたい人にとっての参考に、このブログが役立ってくれますように。

PN:伊吹かなめ
傾向:世界観、キャラクター、読みやすさ、印象の強さ、独創性、個性などを重視します。エンターテイメント性に富んだものを好みます。俗っぽいものに抵抗あり。



文字、紙、本に溺愛。作家さん、編集者さん、そして出版関係の皆様に感謝と敬意をここに記します。本を生み出してくれて、ありがとう。
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